株式会社電縁、デジタルサイネージに関する市場調査を発表

株式会社ガイアックス(本社:東京都品川区、代表執行役社長:上田祐司、証券コード:3775 、以下ガイアックス)の連結子会社である株式会社電縁(本社:東京都品川区、代表取締役社長:加藤俊男、以下電縁)は、屋外や交通機関、店頭、公共施設などで、映像や情報を表示する広告媒体であるデジタルサイネージに関する市場調査を行いましたので、ご報告いたします。
本調査は、2010年12月中旬に男女別520人に対し、10問選択式・自由形式で行ったものです。
なお、株式会社電縁では、今後も利用が高まるデジタルサイネージの普及促進に努めて参ります。

本調査結果の総括

(1)「デジタルサイネージ」の非認知度は83.8%だが、見たことがあると答えた人は53.5%

「デジタルサイネージ」という言葉を知っているかという設問に対して、「知らない」と回答した人は83.8%にのぼるが、デジタルサイネージがどのようなものであるかを提示した後で、同じ設問をしたところ、53.5%とかなり高い数字となりました。

(2)20代~30代は音声ガイダンス、タッチパネルへの期待は高い

デジタルサイネージの関連機能について、回答者の利用意向を尋ねたところ、20代は、QRコードについて、30代はFeliCaなど、携帯電話のアプリケーションを使って起動する機能について、利用意向が最も高い結果となりました。一方的な情報伝達ではなく、双方向での情報取得に高い関心を寄せていることが分かります。

(3)情報の持ち帰りは、FeliCa、QRコードより紙で

デジタルサイネージから情報を取得して持ち帰る手段として、「紙に印刷して情報を持ち帰りたい」という利用意向が高い結果となりました。今後は印刷機能を持つデジタルサイネージの普及が、歓迎されるでしょう。

(4)デジタルサイネージ利用者の回答者の52.7%が、「満足」「やや満足した」と回答

デジタルサイネージを使ったことがある回答者に対して、満足度を聞いたところ、回答者の52.7%が、「満足した」「やや満足した」と回答し、「やや不満を感じた」は4.6%、「不満を感じた」は0%と、満足度が高いと評価できる結果となりました。今後設置台数が増加すれば、急速に利活用が進むことが期待できます。

デジタルサイネージに関する市場調査についての報告

(1)調査目的

本レポートは、その調査、分析の結果を弊社のお客様、事業パートナー様と共有し、デジタルサイネージの企画、検討などにお役立ていただくことを目的としております。なお、本レポートに対する反響によりましては、今後定期的に調査・分析を行うことも検討しております。

(2)ネットリサーチ概要

設問数: 10問
設問形式: 選択式(単一、複数)、自由記入式等
総サンプル数: 520
サンプル分布: 男女別、年齢層別の各セルに均等に割付
調査時期: 2010年12月中旬

 

(3)調査結果詳細

1.「デジタルサイネージ」の非認知度は83.8%

「デジタルサイネージ」という言葉を知っているかという設問に対して、「知らない」と回答した人の割合は、全体で83.8%にも及びました。(グラフ1参照)一方で「認知している」と回答した人の中でも誤認があり、「デジタルサイネージ」という言葉は市場でほとんど認知されていないのが実態です。また、この非認知度は年齢層、性別でも大きな差異が見られないことから、一般的な消費者であれば、属性的な背景によらず認知されていないということも分かります。
これらのことから、市場全体で見て「デジタルサイネージ」という言葉が、残念ながら未だ認知されていない現状であると言えます。

2.デジタルサイネージは設置場所が十分認知されていない

次に、デジタルサイネージがどのようなものであるかを提示した後で、どのような場所でデジタルサイネージの認知、接触があるかという設問を設定しました。

デジタルサイネージを見たことがあると答えた人は、「デジタルサイネージ」という言葉自体の認知度が低い結果であったのに対して、53.5%とかなり高い数字となりました。液晶ディスプレイを利用した広告が増えてきているという認識は広がっているものの、それを「デジタルサイネージ」と一括りに認識していないということが分かる結果となりました。
次に、「設置されていることを知っている場所」「見たことがある場所」でも大きな差異が見られなかったことから、ほとんどの人が現物を見ることによって、デジタルサイネージを「認知」していることが分かります。また、デジタルサイネージを使ったことがないと答えた回答者のうち、57.5%が設置場所を知らないと回答しており、デジタルサイネージが設置されていることが消費者に伝わっていないことが、利用されない大きな要因となっていることが分かります。
これらのことから、デジタルサイネージの利用が消費者に普及していくためには、設置場所の告知を強化し、デジタルサイネージが設置されていることの認知を高めていくことが必要であるといえます。

3.使ったことがある回答者の満足度は高い

次に、デジタルサイネージを使ったことがある回答者に対して、満足度を質問しました。

グラフ4 デジタルサイネージ利用満足度

回答者の52.7%が、「満足した」「やや満足した」と回答し、「やや不満を感じた」は4.6%、「不満を感じた」は0と、満足度が高いと評価できる結果となりました。
認知や利用経験が高まっていないにもかかわらず、高い満足度を示していることから、今後設置台数が増加し、デジタルサイネージの経験が高まるにつれ、急速に利活用が進むことが期待できます。
デジタルサイネージ設置者にとっては、いかに一度使ってもらうかが重要であるといえます。

4.年齢層別に異なるデジタルサイネージからの情報取得方法

次のグラフは、デジタルサイネージの関連機能について、回答者の利用意向を尋ねたものです。

20代は、QRコードについての利用意向が最も高く、年齢層が上がるにつれて急激に低下していることから、若年層向けにはQRコードで情報を提供する機能の重要度が高いことが分かりました。また、30代はFeliCaなど、携帯のアプリケーションを起動する機能や、紙へ印刷して情報を持ち帰れる印刷機能の利用意向が最も高く、インタラクティブなデジタルサイネージでの情報取得に高い関心を寄せていることが分かります。
一方で、60代以上は紙への印刷機能の利用意向が高く、年齢層が高くなるほど印刷機能を必要としています。これらの状況から、デジタルサイネージで情報を提供する方法は、ターゲットとする年齢層別に変えることが望ましいといえます。

5.情報の持ち帰りは、FeliCa、QRコードより紙で

デジタルサイネージから情報を取得して持ち帰る手段として、FeliCa、QRコード関連の機能に関する利用意向が低い結果となりました。
それに比べて、紙に印刷して情報を持ち帰れる機能の利用意向が高く、利用者がデジタルサイネージから情報を取り出して持ち帰る際は、携帯電話を利用して操作を簡略化したり、携帯電話に取り込んだりするよりも、紙で持ち帰りたいという意向が強いことがわかります。今後、情報の配布が重要な機能となるデジタルサイネージは、印刷機能を持つことを視野に入れる必要があるでしょう。

(4)まとめ

1.デジタルサイネージの導入効果

今回の調査の結果、「デジタルサイネージ」という言葉や実際に導入されているデジタルサイネージの認知度がまだまだ低いことが分かりました。
現状では、デジタルサイネージの普及が進んでいないことで、利用も進んでいないと考えられますが、利用経験のある回答者の満足度は高く、半数以上の回答者がタッチパネル、紙での情報取得を希望していることから、普及が進み、気軽に操作できる状況が整うにつれて、インタラクティブなデジタルサイネージを操作して必要な情報を取得し、紙などで持ち帰る消費者が増加していくと考えられます。

2.効果的なデジタルサイネージ導入方法

デジタルサイネージを見たことのない回答者が理由として、設置してある場所を知らないと回答していることから分かるように、デジタルサイネージが設置してあることの告知が現状では十分ではないということが分かります。サイネージがどこに設置されているのか分かりやすくすると共に、サイネージを操作することが特別ではない演出をして、利用を促すことが重要と言えます。
また、見かけたサイネージを利用したことがある割合はロケーションで大きく異なり、「情報を必要としていない」ことを理由に利用しない回答者が多くいたこと、情報を取得・持ち帰りしたい方法が年齢層で異なることから、ロケーション、年齢層などの特性に合わせたサイネージを企画することが重要であると考えられます。
さらに、現在はまだ普及度が高くないものの、音声ガイダンスやタッチパネルで求める情報に的確に誘導する機能に対するニーズが高く、取得した情報を持ち帰る手段としてはFeliCa、QRコードより紙への印刷機能を備えた方が歓迎されるということも言えます。

お問い合わせ先
TEL:03-4500-4515
FAX:03-5759-8956

コンサルティングサービス担当 : 石原
E-mail:consulting@e-relation.co.jp

デジタルサイネージ担当 : 篠

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