【2019年 最新版】デジタルサイネージ海外事例3選まとめ【DSE】

デジタルサイネージソリューションに特化した世界で唯一の包括的な国際イベント、DSE(Digital Signage Expo)が今年もラスベガスで開催されました。

DSEの開催は今年で15回目となります。
毎年イベント内で発表される「APEXアワード」では、13カ国からの112の参加者の事例から合計12のカテゴリーごとにゴールド・シルバー・ブロンズのAPEX賞が、さらに全参加者のうち3つの事例に年度大賞である

  • 「APEXインスタレーション・オブ・ザ・イヤー」
  • 「APEXインテグレーター・オブ・ザ・イヤー」
  • 「APEXコンテント・オブ・ザ・イヤー」

が与えられます。

今回は2019年度最新版として、世界的に高い評価を受けた3つの年度大賞の事例を紹介していきます。
業界を牽引するリーダー達の事例をもとに、早速海外のデジタルサイネージ最先端トレンドを追っていきましょう。

DSE(Digital Signage Expo)の過去記事はこちら
→【2017年 最新版】デジタルサイネージ海外事例3選まとめ
→【2018年 最新版】デジタルサイネージ海外事例3選まとめ

1.Revel Media Group

(会場部門 金賞/APEXインスタレーション・オブ・ザ・イヤー受賞)

Revel Media Groupは、2009年に設立されたアメリカのユタ州 ケイズビルに本社を置くメディア・通信会社です。

ノミネートされたのは、ソルトレイクシティにある革新的な劇場、「Hale Centre Theatre」の事例です。
この事例では、既存の演劇にデジタルサイネージを掛け合わせることで、より臨場感・没入感のある効果的な演出を可能とし、観客に新しい劇場体験を提供しています。

劇場内部には円形の壁をぐるりと取り囲むように湾曲した横長のサイネージが複数枚並べられ、戦いのシーンでは戦火を、野原のシーンでは広大な花畑を、はたまたダンスショーのシーンでは様々な色の光が弾けるような映像を映し出し、劇の背景として機能します。

また、劇場外にも多くのデジタルディスプレイを設置し、劇の世界観に没入させるための映像配信や宣伝広告に用いたりと、観客の体験をデザインするための工夫が施設の内外に見られます

評価すべきは、クリエイティブな発想と高度な技術力に基づき、顧客のニーズを満たす革新的なソリューションを生み出している点です。
Revel Media Groupは中国のLEDディスプレイ製造・販売会社のAbsenや韓国のSamsung等のベンダーパートナーと協力することで、これらの施策を時間的制約のなかで着実に進め、成功させました。

Revel Media Groupは来場者数やスポンサーシップの増加、企業イベントの機会の拡大を通じて、収益の拡大に大きく貢献しています。
来場者数は28万人から53万人に52パーセント成長し、スポンサーシップの収益は年間25万ドルから100万ドルに4倍も増加しました。
さらに、企業イベントの収益も3倍になりました。報道関係者、来場者および顧客からも、肯定的なコメントが数多く寄せられているそうです。

「デジタルサイネージ × 演劇」でこれまでには見られなかった革新的な価値を創造し、ビジネスをさらに拡大させた成功例と言えるでしょう。

2.Dimensional Innovations

(エンターテイメント&レクリエーション部門 金賞/APEXインテグレーター・オブ・ザ・イヤー受賞)

Dimensional Innovationsは、1994年に設立したアメリカ合衆国カンザス州 オーバーランドパークに本社を置くメーカーです。
インタラクティブで没入感のあるデザインと建物の融合を目指しており、DSE2018では教育・ヘルスケア部門にて銀賞を受賞しています。

今回ノミネートされた事例は、NFL(アメリカンフットボールリーグ)チーム、ミネソタ・バイキングスの歴史を紹介する施設The Vikings Museumです。

Dimensional Innovationsは、2018年にオープンしたこの博物館の設計・建築まですべてを担当しました。

  • 子供も大人も、高齢者も楽しめる
  • 60年近い歴史のなかで育まれた多くの展示物を見やすく整理できる
  • 時代を重ねても新しい作品を追加展示できる
  • イベントスペースとしても機能できる柔軟性を持たせる

という難しい要求に応えるため、デジタルサイネージを利用した工夫が随所に見られる空間となっています。

特筆すべきは、この施設内にある360度全ての壁がデジタルサイネージで構成されたビデオシアターと大きな本の形をしたインタラクティブサイネージです。
ビデオシアターではソーシャルメディアへのファンの投稿を映し出し、試合以外の場所でもファン同士のつながりを感じられる、没入感ある空間を演出しています。

本の形をした特徴的なサイネージでは、歴代の選手たちの膨大な情報を閲覧することができます。この本はジェスチャーによって可動し、本をめくるような動作でページ送りができたりと、年齢を問わず誰もが操作しやすいつくりになっています。

この「The Vikings Museum」は、アメリカのミネソタ州イーガンのヴァイキング湖周辺の開発地域中心部に位置する施設です。ヴァイキング湖周辺では、今後小売店、ホテル、レストランなどを含む大規模開発が予定されています。
そんな中Dimensional Innovationsがつくりあげたこの博物館は、長期に渡ってヴァイキングスブランドと人々との接点を増やす役割を担うことになりそうです。

3.Magic Innovations

(交通機関部門 金賞/APEXコンテント・オブ・ザ・イヤー受賞)

Magic Innovationsは、イベントの技術サポート、3Dビデオコンテンツの作成、革新的なITソリューションの開発と実装、投影機器のレンタル、LEDスクリーンおよびサーバーを専門とするウクライナの企業です。
2019年のAPEXアワードではこの賞の他、ホスピタリティ部門で銀賞も受賞しています。

今回の事例は、中東で3番目に大きい航空会社であるサウジアラビア航空とタッグを組み、デジタルサイネージを用いて未来の空港像を描いた展示会、「Saudi airlines multimedia solutions」です。

サウジアラビアの航空旅行市場は、今世界で最も成長している市場の一つです。民間航空の将来を具現化し理解することを目的としたこのプロジェクトで、Magic Innovationsは高度な技術的要素と視覚的要素の両方を担いました。

展示会では、近未来の機体の形状や発着シーン・航空システムのイメージ映像など、空港の未来の可能性を映すために様々なデジタルサイネージが用いられています。

特に目を惹き、訪問する人々を夢中にさせたのはLEDスクリーンと鏡面を使った展示です。
壁には大型かつ高画質のLEDスクリーンを、床と天井には鏡を使用することで、展示と周囲の空間との境目を感じさせないようなつくりになっています

なかには動画撮影が許可されているエリアも存在するようで、デジタルサイネージそのものを広告宣伝の媒体とするのではなく、高度な技術力でつくられた緻密な展示会コンテンツとしてのデジタルサイネージが来場者によって広告宣伝としても機能している点が革新的です。

まとめ

以上、DSE 2019で年度大賞を受賞したデジタルサイネージ3つをご紹介しました。
今回取り上げたRevel Media Group、Dimensional Innovations、Magic Innovationsの事例は、単なる広告宣伝としての枠組みを超え、既存の産業とデジタルサイネージを掛け合わせることで革新的なビジネスを生み出した好例といえるでしょう。

特に博物館や芸術とのコラボレーションは、今後もさらに注目を集めることとなりそうです。

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