【2017年 最新版】デジタルサイネージ海外事例3選まとめ

日本のデジタルサイネージ市場の拡大の勢いはすさまじく、今や大都市の有名スポットには無数に並ぶ時代です。では、海外では一体どんなサイネージが設置されているのか、ご存知でしょうか?
実は、初めてデジタルサイネージが大都市で導入されたのはアメリカで、1999年にラスベガスで行われたものでした。

そんなラスベガスでは毎年、ビジネス諸分野において、デジタルサイネージが事業ソリューションとして産業の発展に貢献した事例を選出・披露する展示会、DSE(Digital Signage Expo)が開催されています。

デジタルサイネージ 事例 海外

DSEはアメリカでは数々の格式高い表彰を受け、権威のある展示会として世界中に認知されています。今回はそんなDSE 2017で表彰されたビジネス事例の中から、デジタルサイネージの海外最新事例として、筆者が厳選した3選をご紹介していきます。その年のサイネージソリューションの集大成とも言えるDSEが認めた海外事例について、さっそく見ていきましょう。

●DSE2018についての記事はこちら→【2018年 最新版】デジタルサイネージ海外事例3選まとめ

※2019年1月21日更新

ケース1.T-Mobile Times Square店(小売部門金賞、年度大賞受賞)

T-Mobileはドイツのボンに本社を置き、ヨーロッパ及び北米で移動体通信サービスを提供している会社で、今回ノミネートされたのは、タイムズスクエアでの新店オープンに際しての事例です。ドイツのT-Mobileがニューヨーク・タイムズスクエアに進出するにあたっての最大の課題は、タイムズスクエアの喧騒のなかで、いかに道行く人々に新店を印象づけるか、ということでした。そこで、解決策として提案されたのが、最新技術を駆使した巨大ディスプレイによって、通行人を巻き込んだ映像空間を作り出すデジタルサイネージの導入です。

企画に協力したのは、ニューヨークに本社を構える広告代理店、Razorfishです。このプロジェクトの最も評価すべき点は、T-Mobileが保有する、業界最先端といわれる世界140地点以上をつなぐグローバル・ネットワーク技術と、Razorfishの持つ高精度な画面・映像技術が見事に連携し、見る人にバイラルな体験を提供していることです。高さ13フィート(約4メートル)に及ぶマルチタッチ対応画面の前に立ち止まった訪問者は、店舗のどの一角からでもその場で音楽のネットワークにアクセスし、好きな音楽を世界中のユーザーと共有できます。また、T-Mobileの各支店のセルフィーステーションで撮られた世界中のセルフィーが集められ、タイムズスクエア店のサイネージに映し出されるというアトラクションも、話題を集めています。さらに、T-Mobileのデジタルサイネージでは、閉店後の夜間でも20分おきにデモビデオを放映し、眠らぬ街、タイムズスクエアを活気づけているのです。

ケース2.Salesforce本社(ビジネス・政府部門金賞受賞)

こちらの事例は、Salesforce本社ロビーの壁一面を、デジタルサイネージディスプレイに刷新した、というものです。カリフォルニア州サンフランシスコにあるSalesforce本社のウエストロビーは、よくある商社ビルのそれと変わらない、ベージュのトラバーチン一色の無味乾燥な空間でした。これを来客の印象に残るようなものにできないかと、自社製作でのデジタルサイネージの設置が提案されたのです。
注目すべきは、そこに映し出されるのが単なる広告やデモビデオではなく、躍動感あふれる大自然の風景だということです。具体的には滝や森林のある風景、なかでも今回のノミネートの際に大きく評価されたのが、滝の演出でした。

リアルな滝をロビーの壁面で表現するために、特に力を入れた点が3つあるそうです。
一つ目は、リアリティの追求です。本物の滝と疑うほどの完成度を目指し、流れる水のテクスチャをとことんリアルに表現することにこだわりました。
二つ目は、見る者への配慮です。いくらリアリティが大事とはいえ、生々しすぎる激流を目にして、負担や生理的な不快感を覚えてしまっては、本末転倒です。あくまで見た目に心地よいと感じられて、かつリアルな速さ、を追求しました。
三つ目が、レンダリングの方法です。求める高精度の画像を生成するため、70台以上のサーバーを稼動するレンダーファームを導入し、丸3週間かけてプロジェクトを遂行したといいます。

こうして満を持して新装されたデジタルサイネージの、幅100フィート(約30.5メートル)に渡る巨大スクリーンに映る迫力ある大自然の映像は、公開直後から話題が絶えません。未だに毎日、初めて目にする光景をカメラに収めようとする訪問客の姿が、数多く見られます。訪問者による数々の動画サイトへのアップロード、ローカル紙や地域ブログへの掲載、ハッシュタグによるソーシャルメディアでの共有が、企業の認知に大いに貢献しているのは言うまでもありません。

ケース3.LinkNYC(公共部門銀賞受賞)

ニューヨークでは2014年、もはや時代遅れとなった市内の有料公衆電話設備の見直しのため、技術者やデザイナーが招集されました。これをきっかけに、廃れたコミュニケーションサービスの基盤を抜本的に変えるべく、世界最大にして最速の、無料公共wi-fiネットワークを構築しようというプロジェクトが掲げられました。その目標のもとに、ニューヨーク市と民間企業連合とが手を組んだパートナーシップが、LinkNYCです。

企画の概要は、市内7,500箇所の公衆電話に代わってLinkという新設備を設置し、各所に漏れなく無料wi-fi、電話、IC機器の充電のためのUSBポートに加え、タブレット(地図や経路案内、911緊急ダイヤルにアクセスできる)を装備するというものです。誰もが無料で利用できるこのサービスを支えるのが、キオスクの55インチデジタルディスプレイ、つまりデジタルサイネージです。このディスプレイは各Linkで常時稼動し、地域に密着したブランドの広告を表示します。この広告収益が、市の提案する新しい無料サービスの運営資金となるのです。

LinkNYCは目下、大成功を収めています。プロジェクトの始動から、実に何百という雇用や経済活動を創出しているといわれています。ノミネートされたIntersectionは、ニューヨーク市が運営する屋外広告会社の最大手です。サービス自体が独創性を求めるものではないものの、ニューヨークという土地柄から、想定利用層の選定が一番の懸念となりました。ニューヨークの居住者は840万人、年間旅行客数は5,700万人、言語にして実に800もの異なる言葉が話されているといいます。ニューヨーク市民のためのサービスといっても、いわゆる所得・世代間のデジタル格差だけでなく、コミュニティごとのバックグラウンドをも考慮しなければならないのです。
その克服に役立っているのが、モジュール方式のハードウェアと継続的なデータ更新に対応したOSです。実際に利用してもらってみて、それから改善すべき課題を少しずつカバーしていく、という狙いです。ユーザーにとっても広告パートナーにとってもより使いやすいものになるよう、日々匿名の利用者達から利用者データを集積するシステムには、まさにデータ更新ができるサイネージの強みが生かされているといえます。

まとめ

以上、DSE 2017の表彰に輝いたデジタルサイネージを3つ取り上げてご紹介しました。
T-Mobile、Salesforce、LinkNYC、全てに共通しているのは、それぞれの事業が独自に抱えている問題の解決に、デジタルサイネージが利用されたということです。

デジタルサイネージは、単なる看板・広告器具の枠組みにとらわれない、技術者たちの自由な構想を実現させ、新しいビジネスモデルを創出する上で欠かせないパートナーとなりつつあります。

今後もデジタルサーネージがどんなインスピレーションを与えてくれるのか、技術の進歩とともに目が離せなくなりそうです。

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