広告担当者必見!SP広告7種類とメリット&デメリット

広告は、自社の商品やビジネスを普及させていく上で、欠かせない存在です。実際世の中にはさまざまな形の広告があふれていて、わたしたちの暮らしに深く浸透しています。
消費者は無自覚に受け入れていることも多い広告ですが、業界的には媒体別に大まかに、「マス広告」、「インターネット広告」、「SP広告」と分類されています。「マス広告」は、「マス4媒体」(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)による広告、「インターネット広告」はネット媒体を駆使した広告ですが、そのいずれにも該当しない「SP広告」に関しては、具体的にどのようなものがあるのか、想像しにくいのではないでしょうか?
そこで今回は、具体的なイメージの掴みにくい「SP広告」について、広告担当者が必ず知っておくべき主な7種類を、そのメリット・デメリットとともに詳しくご紹介していきます。
それではさっそく、SP広告の概要から、SP広告の実態を1つずつ掴んでいきましょう。

SP広告とはどんな広告?

SP広告のSPとは、セールスプロモーション(Sales Promotion)の略です。これは日本語で「販売促進」という意味ですので、商品をもっと買って欲しい、売上を伸ばしたいという目的のために制作される広告が、SP広告だと言えます。
そのため、SP広告は顧客の購入意欲を高めるための広告として、企業などの販促活動に包括され、大まかに分類すると、「マス広告、インターネット広告以外の広告」が該当します。
それでは、以下でこれを掘り下げて具体的に見ていきましょう。

主要SP広告7種類とメリット・デメリット

一般的にSP広告として知られている広告には以下のようなものがあります。

1.交通広告


交通広告は、電車・バス・タクシー・飛行機など公共交通機関の車両内外に掲載される広告です。駅の構内の広告も交通広告に含まれることが一般的です。車両内の中吊り広告が古くからある手法ですが、最近では広告の車両ジャックやラッピング車両が知られるようになりました。
また、電車のドア上やタクシーでのデジタルサイネージは近年普及してきました。閉ざされた空間でのデジタルサイネージの活用は、人々の視線が集まりやすいため今後一層の普及が期待される広告でもあります。
中吊り広告でよく目にするものには、雑誌や化粧品並びに日用品など身だしなみに関するもの、飲料品、健康食品などが挙げられます。車両ジャックやラッピング広告は、新製品の発売や季節商品の宣伝で人気の広告手法です。

<メリット>
①接触率が高い
都会では公共交通機関が発達していて、毎日利用する人が非常に多いので、大都市になればなるほど、交通広告への接触率が高くなります。
②反復効果が得られる
通勤通学の場合、同じ交通機関を使う人がほとんどなので反復効果が高く、イメージの刷り込みから購入に繋がりやすいと考えられています。

<デメリット>
①田舎では効果が薄い
公共交通機関が発達している都心エリアでないと、高い効果は期待できません。
②費用がある程度必要
効果が高い都会で交通広告を掲載するには、一度の掲載である程度の予算が必要になります。
③効果測定が困難
インターネット広告やDMなどと異なり、交通広告が販売促進にどれほど効果があったか、詳しく解析することが困難です。

2.屋外広告


屋外広告で最も身近なものは、誰でも一度は目にしたことがある看板広告です。人口の多い都会はもちろん、地方の都市や過疎地でも見られる看板広告は屋外広告の主軸になっていますが、近年では多くの人の目に触れる都会の交差点などを中心に、巨大なデジタルサイネージなども増加しています。デジタルサイネージを使った屋外広告では、これまでの看板広告では実現できなかったアイディアの実現が可能になり、急速に人気が高まっています。
不特定多数に向けられる屋外看板ですが、多くの場合は近隣の人々の目に直接触れることを想定しており、その地域性は重要なポイントです。
屋外広告の代表的な宣伝対象には、道路脇の自動車販売や近隣の観光施設などがあります。歓楽街の街頭看板は飲食店や金融商品、新発売の商品など宣伝対象を選びません。

<メリット>
①ターゲティングができる
設置場所によってアプローチしたいターゲットを絞ることができます。また、場所の選択肢も他の広告に比べて多いのが特徴です。
②視認性が高い
ぱっと目に付き、人々が特別な行動をしなくても情報を伝えることが出来るのは、屋外広告ならではの特徴です。
③費用に幅がある
設置場所によって費用が大きく異なるので、目的・予算に合わせた選択ができます。

<デメリット>
①効果測定が困難
交通広告と同様に効果測定が困難です。
②法規制がある
設置場所によっては、地域の条例など景観を保つための法規制が設けられており、表現が制限されたりします。

3.DM(Direct Mail)広告


DMとはダイレクトメールの略で、顧客情報から特定の対象者に新製品やお買い得情報などを、封書やはがきといった形で、自宅に郵送する広告です。
DM広告は、通信販売の化粧品やサプリメント、クレジットカード会員へのグレードアップなど、定期的に利用するような商品やサービスで多く見受けられます。

<メリット>
①ターゲティングができる
顧客情報からDMを送付するので、顧客のターゲティングが簡単に行えます。
②効果測定ができる
DMの送付履歴など顧客情報を把握しているので、広告に対する効果測定が可能です。

<デメリット>
①未開封の可能性
DMを送付しても全ての顧客に見てもらえると言うわけではありません。
②時間がかかる
企画から印刷、送付手配など、実施にあると程度の時間がかかります。
③費用がかかる
Eメールのメールマガジンと比較すると、広告に費用がかかります。

4.POP(Point of purchase)広告


POP広告とは、消費者が商品を購入するその場で実施している広告のことです。店舗の外観周りから商品の陳列棚まで、設置されるPOP広告はさまざまですが、POP広告は店舗主体で行われるもので、消費者が知りたい商品情報を掲載して、購買意欲の喚起を目的にしています。
スーパーマーケットやコンビニのレジ周り、ドラッグストアなどでPOP広告は効果的に運用されています。

<メリット>
① ライブ感の演出
日ごろから商品に親しんでいる店員の生の声、おすすめレビューや売れ筋情報など、価格だけでなくライブ感ある情報が発信できます。またスポットのセール情報など旬な限定情報で購買意欲を掻き立てることも可能です。
②低コスト
テクニックは求められますが、比較的低コストで継続的に広告を活用していくことができます。

<デメリット>
①テクニックやノウハウがある担当者が必要
無計画にPOP広告を設置すると、煩雑に見えて売り出したい商品が消費者にまったく伝わらない、という恐れもあります。簡単なように見えて、入念な計画性が求められる広告です。

5.折り込み広告


新聞などの折り込みチラシ
は昔から変わらずある広告のひとつです。しかしながらテレビ・ラジオなどのメディアに加え、インターネットが普及した現代においてもその効果は健在です。
日用雑貨や食品、衣料品の売出しから、自動車ディーラー、求人情報などさまざまな業界から出稿されるのが折り込み広告の特徴です。

<メリット>
①ターゲティングが可能
新聞を購読する層に強くリーチできます。高齢者、ファミリー層などがターゲットの商品には高い効果が見込めます。
② 信用性
新聞という歴史あるメディアと一緒に配布されることで、漠然とした信頼感を消費者に持ってもらうことができます。
③ 保存性
紙媒体で配布されることで、今は必要ないけれどなんとなく取っておこう、今忙しいけど明日ゆっくり見ようなど、家庭内で保存したり家族でシェアされるという、折り込みチラシならではのメリットがあります。
④ 即効性
メリット・デメリットの両方になり得ますが、折り込み広告は即効性が高い広告です。瞬間的に大勢の人の目に触れるので一時的な効果は高いですが、持続的な広告掲載はできません。

<デメリット>
① ターゲットが限定される
折り込み広告は、新聞折り込みであれば新聞の定期購読者にしか配布されません。新聞を定期購読していない層にリーチすることはほぼないでしょう。
② 他の広告に埋没してしまう
週末や広告の増える季節など、人々の購買意欲が高まるタイミングは折り込み広告の全体量も増え、他のチラシより目立つこと、注目を得ることが難しくなります。

6.フリーペーパー


地域や対象をある程度限定した紙媒体の広告
がフリーペーパーです。提携の小売店やカフェ、美容院など地域の人がある場所にラックなどを設置して配布するものや自宅に届くものなどあり、ボリュームも数ページのものから、かなり分厚い冊子まで様々です。
ヘアサロンやエステサロン、マッサージや整骨院などもフリーペーパーでよく見かける業種です。居酒屋、習い事など、仕事や学校帰りの平日など近所で済ませたいサービスでの利用が多く見られます。

<メリット>
① 地域に密着した広告
多くのフリーペーパーはエリアを絞ることで、コストを抑えた販売促進を実現します。近所で〇〇できるところが知りたい、という要望を叶える広告として普及しています。
② 割引きクーポン
割引きクーポンやサービス券を発行することで、購買や来店を渋る層にそのきっかけを作ることができます。しかし定期的に実施すると、継続的な売り上げUPに繋がりにくい、というデメリットもあると言われます。

<デメリット>
① 配布期間
情報発信が配布期間に左右されるので、情報の鮮度などのコントロールが難しいというデメリットがあります。
② 情報の埋没
多くの広告主が出稿する人気フリーペーパーでは、冊子を手に取る人は多くても、記憶に残る広告を掲載することが難しくなります。

7.イベント/展示会


世界的なエキスポや有名展示会
では、その業界やテーマに興味がある企業から一般消費者まで多くの人が訪れます。
最先端の技術を持つ企業や、特定のプロフェッショナルに向けたBtoB商品を多く扱う企業などの出展が一般的です。

<メリット>
① 強いターゲティング
展示会やイベントでは商品を探している、新製品を知りたいなど対象に強い関心がある層が来場しています。展示会自体がターゲットを絞りこんだイベントなので、販売促進する絶好のチャンスと言えます。
② 潜在顧客の情報が得られる
売り込みたい商品やサービスをPRできるだけでなく、将来は購入を考えているという潜在顧客情報を入手するチャンスでもあります。

<デメリット>
① 準備に手間がかかる
展示会に出店するための企画からブースの準備、当日のオペレーション人員の確保など、大変な労力とコストがかかります。

まとめ

今回はSP広告について、メリット・デメリットとともに7種類をご紹介しましたが、SP広告がどんなものかお分かりいただけたのではないでしょうか?
SP広告は一概にどれが最適か決め難く、商品やサービスの特性やリーチしたい客層、予算など様々な条件によって、検討を重ねる必要があります。つまり、自社製品やターゲットの分析を充分に行った上で、慎重に取り入れていくことが求められます。また、より高い効果を得るためには、導入後も施策のブラッシュアップを継続的に行うことが大切です。
まとめると、紙媒体などの従来のものからデジタルサイネージのような最新のものまで、SP広告はとにかく種類が豊富な分、利用場面に合致したものが見つかりやすいと言えます。自社商品の広告手法を決める過程で、今一度この記事をお役立て下されば幸いです。

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